〜その楽園には、ふたつの特別な木が植えられていました〜
過密な都市のなかで、プライバシーを守りながら気候と天候の変化をかんじ、家族が楽しくおおらかに生活できる場所を提案します。
敷地周囲が閉じられた1階に家族の寝室と水周りをまとめ、日当たりのよい2階に家族が集うLDKを設けています。LDKは、外部からの視線を遮りながら南の空に向かって開く外部空間“空庭”と連続しています。
空庭は、空へと旺盛に枝を伸ばすヤマモミジが地上から貫き、鉄板で作られたひさしが雨音を響かせ、滝のように流れ落ちる雨水が見えます。過密な都市のなかでプライバシーが守られた家にいながらにして、"自然の息吹"を、見て、聞いて、確かめることができます。
一方、LDKは、起伏に富んだおおらかな大地をイメージしました。その大地には、トップライトから降り注ぐ光に向かって大きく枝を伸ばす、大樹のような本棚がしっかりと根ざしています。
四季に応じて新緑・紅葉・落葉を繰り返し、ダイナミックに建ものを突き抜けるヤマモミジが『生命の木』であるなら、書物を葉のごとく枝に繁らせた本棚は、まさしく『知恵の木』です。
楽園の象徴であるふたつの『木』が、家族の生活を常に見守ります。